あくまで私個人が一般のお客様に向けての一般的なご説明です。

技術や素材は年々進歩していますので一部そぐわない内容もあると思います。

あらかじめ ご了承のうえご覧ください。 工房 店主



【レンズ素材で迷ったときは】

偏光レンズには、一般的にプラスチック(CR-39)、ガラス、ウレタン、ポリカーボネート、トリアセテート等が使われます。

--プラスチックレンズ(CR-39)--

 軽量かつ透明感のある素材で現在では度付き眼鏡のレンズとして最も一般化しています。

 レンズの素材歪みも無く、高額な偏光サングラスのレンズとしても主流となっています。

 しかし、素材がやや柔らかいため、セッティング次第ではレンズの歪みが増加してしまう為、フレームとのマッチングを考慮しながら確実な技術でセッティングをしないと本来の性能を発揮できなくなります。

 また、熱にやや弱く、60℃以上でコーティングにクラックが入る危険性があります。

--ガラスレンズ--

 最も素材の透明度が高く、クリアな視界を得られます。

 また、素材の硬度が高い為、フレームへセットした際にもレンズに歪みが生じにくく、傷への耐久性が最も高い素材です。

 しかし、「割れ」に対するリスクが他素材より高いので、耐久試験などを通過した信用のおけるメーカーのレンズがより安心です。

 素材の重量が最も重い為、装用時のズレや重さが気になることがありますが、顔にフィットするフレームや、顔に合わせてきちんと調整されたフレームを使うことによって重量バランスを整え、装用感を改善することが出来ます。

--ウレタン系素材レンズ(MR)--

 プラスチックレンズより更に軽量で割れに強いものが多くなります。

 縁無しタイプやナイロールなど、レンズが剥き出しの部分が多いデザインのモデルにより向いています。

 また、高屈折の物も多く、度数が強めの方にもレンズの厚みを抑えながらより軽いものに仕上げることが出来ると言えます。

--ポリカーボネートレンズ(PC)--

軽量かつ割れに強くなります。

 耐衝撃性に優れ、スポーツグラスや保護眼鏡などにもよく採用されています。

 素材自体も安価な為、手頃な価格のサングラスによく採用されてます。

 しかし、レンズ整形時に素材歪みが生じ、光学性能も上記素材に比べ劣ります。

--トリアセテートレンズ--

板状の偏光シートを曲げてレンズの形にカットしたものです。

非常に安価な為、低価格な偏光グラスに最も採用されています。

素材を曲げて作られる為、レンズのカーブの安定が悪く、偏光軸のズレが出やすいデメリットがあります。



【可視光線透過率で迷ったときは】

40%前後

 朝夕のスペシャルレンズです。日中も明かるさを大事にするならば全く問題なしです。

 しかしサングラスとして考えるならばお手上げです。 メインは朝夕のベストタイム。

 光と影が入り混じった3時以降からや曇天、雨天には「コレ!」

 エキスパートアングラーには必須のアイテムです。

30%前後

 一般的に明るいサングラスといったイメージです。

 一日中OKですが、逆光になると少しまぶしく感じる事が有ります。

 朝や夕方も使えなくは無いですが、ベストタイムが一番長いオールラウンド。

 バランスが取れた感じというか優等生の30%前後 最初の一枚なら迷わず30%前後が無難です。

15%以下

 昼間や洋上など光線が強い時間帯と場所で威力を発揮します。

 朝夕スペシャルと真逆の使い方になり、15時を回ると外したくなります。

 とにかく光線を防ぎたい パリっと晴れた日や夕方の逆光にはコレくらいの可視光線でなければ使えない。

 それでも日中や逆光の強い日差しを完全に防ぐことは出来ません。
 
 可視光線透過率5%なんてレンズもあるくらいです。




【カラーで迷ったときは】

 まず最初の一枚ならば迷わずにスモーク系や近年ではグリーン系がお勧めです。

 二枚目以降は・ブラウン・オレンジ系・コパー系がお勧めです。

 どのカラーでも違和感を感じたり気持ちが悪くなる事はありません。

 人間の目は直ぐに慣れて違和感を感じなくなりその上で色の違いを読みます。



【レンズカーブで迷ったときは】

・標準カーブ:レンズにカーブが少ないのでレンズを通しての見た目の歪みは感じられませんが、横縦方向からの写り込みが気になったりデザインが単調になったりしますので、好き嫌いがはっきりするタイプですが、通常メガネとして販売されているのはほとんどこれです。
 見え方は一番自然に見えます。

 風防タイプやサイドカバー等を効果的に使いこなすことで弱点を解消する事が出来ます。

・6カーブ:標準カーブと8カーブの良い点を取ったバランスの良いサングラスです。
 
 レンズにカーブを入れる事で、光・風・ホコリなどから目を守り顔へのフィット感がアップします。

 また一気にサングラスっぽく雰囲気が変わります。

・8カーブ:サイドまで回りこんだレンズが悪条件(風・雨・ホコ)などのストレスから目を守ります。

 CR偏光サングラスとすると歪(偏光抜け)の除去に手間暇が掛かるため、量産品には不向きですがそのラウンド形状は「風の巻き込みやサイドからの無駄な光線・有害紫外線の侵入」などを防ぐといった利点も有ります。

 レンズによってはゆがんで見える事が有ります。



【よくある質問】

(質問)偏光サングラスって本当に良いですか?

 偏光サングラスとサングラスの使い道に変わりは有りませんが、釣りやゴルフ等のレジャーやドライブ等様々な所で偏光によるスッキリ効果(無駄な光の乱反射をカット)が見直されています。

 透視は出来ませんが今まで見えなかったものが見えるようになり、そして見えてたものが消えたりします。

(質問) 偏光レンズなのに水中が見えないのですが?
 
 偏光レンズは、物体(水面)に対して45度付近でベストパフォーマンスを発揮します。
 
 真下や角度が浅くなる遠くの視界に関しては有効ではありません。

(質問) 偏光レンズがめくれています

 偏光レンズは偏光フィルムをサンドイッチのように挟み込んで成形されていますので、長時間水の中に漬けたままにすると偏光膜が剥がれる場合が有ります。

(質問)偏光グラスの保管(メンテナンス)で注意する事は?

 偏光レンズは高温に弱いです。

 異なる素材が合わさっていますので高温から低温を繰り返すと収縮により偏光膜を中心として剥がれる場合が有ります。※特に夏場のダッシュボードはもちろん車内もキケンです。

(質問)偏光レンズの寿命はどれくらい?

 レンズの寿命は長く10年以上使えますが、レンズコーティングダメージによりダメになるケースが最も多いと言えます。

 レンズには微細なホコリが付着しやすく、そのままレンズクロス等で拭き上げる事によって必ずダメージを受け、その蓄積がコーティング剥がれに繋がります。
 
 使用後は水洗いなどでホコリを洗い流すと【長持ち】します。

 テスト頂いているエキスパートアングラーさんのご意見では、「これまで数週間から数カ月で感じていた偏光度の低下がコンベックスの偏光レンズは感じられない」といったご意見があります。

 適正にメンテナンスをすれば相当長持ち!

(質問)偏光グラスが汚れたら?

 中性洗剤を薄めた液でよく洗い、流水でよくすすいだあと、ティッシュペーパーでよく水分を拭き取るのが一番きれいで簡単な方法です。※レンズ表面の水滴は、乾燥する前に拭き取るようにしてください。

(質問)プラスチックレンズと、ガラスのレンズとの違い

 プラスチックレンズはガラスレンズと比べて、軽量で割れにくく、様々な色を選択できるのが特徴ですが。

 反面、傷や高温などに弱く、ガラスレンズほど薄くできる高屈折率の素材が無いのが欠点です。

 しかし、プラスチックレンズは設計や製造の自由度が高く、高度な技術が実現できます。

(質問)メガネを平らな所に置いてみたら片足が上がった状態になっています

 メガネはツルの部分や耳掛けの部分が曲げて調整できるようになっていますのでやさしくお試し下さい。

 サングラスに関しては、調整可能では無いため、ひどい場合はご連絡下さい。

(質問)レンズに付いた擦り傷を、取れますかまた費用はどのくらい掛かりますか?

 レンズ表面の傷は技術的には取ることは可能ですが、間違いなく買うより高くつきますのでお勧めできません。

(質問)プラスチックレンズの表面に油膜のようなまだら模様が出ています

 レンズの表面には、レンズ面の反射を抑えて見やすくするための反射防止コートという処理が施されている製品があります。

 通常、反射防止コートの下ににハードコート処理が施されていますが、レンズの屈折率とハードコートの屈折率に差が出るため、ハードコート層の微妙な厚みの差が反射防止コートに影響を与え縞模様が出ます。

 しかし、これが原因で目に悪影響が出ることはありませんし、現状では縞模様が出ないように量産することができません。

(質問)レンズに度数が入っているような感じです

 スポーツカーブ(8カーブ)の場合、レンズの傾きによって高額中心がズレて、度数が入ったように感じる方がおられます。

 コンベックス偏光レンズは、ディセンター技術を使い克服に努めています。