加工品質
【歪(偏光抜け)とは】
透明で軽量といったメガネに最適な素材であるCR-39プラスチック素材偏光レンズの唯一の欠点が歪(偏光抜け)が出やすいことです。
枠がレンズを締め付ける事によって生まれるもので、メガネや一般的なサングラスのようにセットすると歪を起こし本来の機能が大きく損なわれます。
通常使用するのは中心部分のみなので、問題は無いとされていますがエキスパートはレンズの角から角まですべてを使います。
トーナメンターなどは顔を固定したまま目だけで視点を変えているほどです。
工房のチューニングは「加工時に発生する偏光膜の歪」を限りなくゼロに除去する事を第一の目的としています。
レンズ偏光性能はモチロンの事ですが目にも優しい大変良好な状態です。
通常使用でレンズが脱落しない範囲内において
高性能CR偏光レンズの唯一の弱点である歪(偏光抜け)をレンズ有効視野内(レンズ中央)だけでなく
レンズの周辺・さらには角部分に至るまで徹底的に歪を除去(チューニング)し
偏光レンズの性能を最大限引き出せるよう、ギリギリのセッティングを行っています。
レンズ素材とフレーム素材が干渉しあう為、フレームの開閉時にキシミ音が鳴る個体があります。
それは素材同士が繊細に干渉しっているためであり「歪(偏光抜け)ゼロと引き換え」とご理解頂ければ幸いです。
外れないようにレンズをフレーム内に固定する以上、ごく稀に【視界に影響しない場所に】僅かな歪みを残すこともあります。
【ご理解頂きたいこと】
・極小のレンズコーティングポツ。
メーカー基準外による交換は可能
・純正レンズ取り出し時〜レンズ交換調整時に入る溝のキズ。
偏光レンズ交換では、基本的にフレームやレンズに熱を掛けずに、レンズ交換作業を行うため
・強い光線のみで見えるレンズの拭き跡(薄いキズ)。
目に見えない微細なホコリにより起こりますが、コーティングにダメージを与えない
・レンズ及びフレームは、プラスチックであるため経年で収縮します。
その結果フレームの締め付けによってレンズ歪(偏光抜け)再発の可能性があります。
定期的に歪(偏光抜け)のチェック行ってください
上記は何れも一定の確率で起こる現象となりますのであらかじめご了承下さい。
・フレーム開閉時のキシミについて
多くの場合時間経過とともに徐々にに収まります。
気になる場合は、お届け使用後であっても無償で固定させて頂きます。
レンズ専用接着剤で固定するため排水性や再調整時のメンテナンス性が落ちます。
簡単なチェック方法
液晶モニターから少し遠ざけて、サングラスを45度から90度回すと、レンズが黒く変わります。
真っ黒な部分が99%以上の偏光度をキープしている状態です。
補足情報
偏光レンズには、一般的にプラスチック(CR-39)、ガラス、ウレタン、ポリカーボネート、トリアセテート等が使われます。
【プラスチックレンズ(CR-39)】
軽量かつ透明感のある素材で現在では度付き眼鏡のレンズとして最も一般化しています。
レンズの素材歪みも無く、高額な偏光サングラスのレンズとしても主流となっています。
しかし、素材がやや柔らかいため、セッティング次第ではレンズの歪みが増加してしまう為、フレームとのマッチングを考慮しながら確実な技術でセッティングをしないと本来の性能を発揮できなくなります。
また、熱にやや弱く、60℃以上でコーティングにクラックが入る危険性があります。
【ガラスレンズ】
最も素材の透明度が高く、クリアな視界を得られます。
また、素材の硬度が高い為、フレームへセットした際にもレンズに歪みが生じにくく、傷への耐久性が最も高い素材です。
しかし、「割れ」に対するリスクが他素材より高いので、耐久試験などを通過した信用のおけるメーカーのレンズがより安心です。
素材の重量が最も重い為、装用時のズレや重さが気になることがありますが、顔にフィットするフレームや、顔に合わせてきちんと調整されたフレームを使うことによって重量バランスを整え、装用感を改善することが出来ます。
ウレタン系素材レンズは、プラスチックレンズより更に軽量で割れに強いものが多くなります。
縁無しタイプやナイロールなど、レンズが剥き出しの部分が多いデザインのモデルにより向いています。
また、高屈折の物も多く、度数が強めの方にもレンズの厚みを抑えながらより軽いものに仕上げることが出来ると言えます。
【ポリカーボネートレンズ】
軽量かつ割れに強くなります。
耐衝撃性に優れ、スポーツグラスや保護眼鏡などにもよく採用されています。
素材自体も安価な為、手頃な価格のサングラスによく採用されてます。
しかし、レンズ整形時に素材歪みが生じ、光学性能も上記素材に比べ劣ります。
【トリアセテートレンズ】
板状の偏光シートを曲げてレンズの形にカットしたものです。
非常に安価な為、低価格な偏光グラスに最も採用されています。
素材を曲げて作られる為、レンズのカーブの安定が悪く、偏光軸のズレが出やすいデメリットがあります。